ポーラX
2月21日(土)公開
破滅に至る愛
『ポンヌフの恋人』(91年)から8年、レオス・カラックスは『ポーラX』で復活する。19世紀半ばのアメリカ小説、ハーマン・メルヴィル(1819-91)の「ピエール」(1852)の映画化で、小説の仏題"Pierre ou les ambiguité" (ピエール、あるいは曖昧なるもの)の頭文字Polaに謎のXをつけた暗号だった。1998年12月、翌年のカンヌ国際映画祭正式コンペティション出品作の「1本目」として突然発表され、映画祭側の期待と歓迎を表わすものと話題になった。
カラックスは全作品の脚本を書いてきたが、小説の映画化は初である。原作「ピエール」は「白鯨」の翌年にメルヴィルが熱狂のうちに書き上げた長編で、発表当時あまりに背徳的で虚無的な内容のため「メルヴィル発狂す」と報じた新聞まであった。語り手メルヴィルとピエールが一体化していくような特異な怪物的作品で、カラックスは18歳の頃に読み「自分のために書かれたかのような奇妙な感覚」を抱いたという。ストーリーや役名、金髪ルーシー(本作ではフランス読みのリュシー)と黒髪イザベルの対比も原作通りだが、現代のパリに設定を変え、二人の絶望の深み、そしてその果てにあるあらゆる愛憎あらゆるしがらみからの超越を、壮絶なロマンティシズムの物語として描いた『ポーラX』は、20世紀の映画シーンの終わりにカラックスが発した魂のメッセージだった。
裕福で満ち足りた田園生活を送るピエール(ギヨーム・ドパルデュー)と母マリー(カトリーヌ・ドヌーヴ)。そこに片言のフランス語で「姉」と称してボスニア難民イザベル(カテリーナ・ゴルベワ)が闇の世界から現われ、ピエールはイザベルの抗しがたい魅力に引き寄せられ、母も婚約者も家督も全て捨てて彼女とパリに出る。ピエールとイザベル、螺旋状の暗闇を深く下降しながら強烈に求め合う二つの魂、闇の中で真実を探すべく絡み合う肉体。この二人の激しく疾走する愛をカラックスは息もつかせぬエモーショナルな映像と音でラストまで描き切る。
主演のギヨーム・ドパルデュー(1971-2008、ジェラール・ドパルデューの息子)とカテリーナ・ゴルベワ(1966-2011、カラックスのパートナー)が困難な役柄を体当たりで演じ、ピエールが姉と呼ぶ母をカトリーヌ・ドヌーヴが演じ前半と後半で極端な変化を見せる。
監督・脚本:レオス・カラックス
撮影:エリック・ゴーティエ
出演:ギョーム・ドパルデュー、カテリーナ・ゴルベワ、カトリーヌ・ドヌーヴ
1999年/フランス・ドイツ・スイス・日本/カラー/135分

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公式サイト
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公開日
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上映時間
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