オーバー・フェンス

10月22日（土）公開

山下敦弘監督が、愚かさと愛おしさをはらむ愛の過程を描き新境地を開く
孤高の作家・佐藤泰志の小説を、気鋭の監督が映画化するシリーズ最終章

©2016「オーバー・フェンス」製作委員会　

結婚生活が破綻。妻子と離れ、職業訓練校に通う孤独な男。年代の異なる個性豊かな「生徒たち」と「学校生活」を送る彼が、ひとりの女と出逢う。自由と苦悶のはざまでもがく女の一途な魂にふれることで、男の鬱屈した心象は徐々に変化していく。それでもままらない時間を過ごすしかない一組の男女に、映画は最後の最後に、すこやかな奇跡を授け、それは最終章にふさわしいエンディング迎える。

監督は闇を抱えた人間たちに柔らかな光を与える名手・山下敦弘。主人公の頑な心が徐々にほどけていく様を、細密にして豊かな演技で見せるのはオダギリジョー。強烈なキャラクターのヒロイン、聡の暴発する純情と伸びやかなイノセンスを等価のものとして体現したのは蒼井優。日本映画を担うふたりの満を持しての競演は、期待をはるかに超える成果をスクリーンに刻みつけている。白石と聡を引き合わせるミステリアスな男、代島には松田翔太。職業訓練校の多彩な面々に北村有起哉、満島真之介、松澤匠、鈴木常吉、中野英樹ら芸達者なキャスト陣。そして白石のかつての妻に優香が扮し、ドラマに奥行きを与えている。

「その瞬間を生きている人間たちの映画にしたい」という想いで作られた本作は、孤独な状況下で、それでも何かを求めずにはいられない「わたしたち」の一瞬一瞬にシンクロする。特定の時や場所を越え、普遍的な情感がすっと降り立つ幸福。熟成と新境地が類稀なる邂逅を果たした傑作が誕生した。

監督：山下敦弘／出演：オダギリ ジョー、蒼井優、松田翔太
2016年／日本／カラー／ヨーロピアンビスタ／DCP5.1ch／112分／配給：東京テアトル

• 予告編

• 公式サイト

  http://overfence-movie.jp/

• 公開日

  11月11日(金)まで

• 上映時間

  19:05～20:57

• 入場料金

  一般1800円／大学・専門学校生1400円／会員・シニア1200円／高校生800円／中学生以下500円

• イベント情報

  ■舞台挨拶
  11月10日（木）19：05の回上映前　ゲスト：オダギリジョーさん、満島真之介さん、山下敦弘監督
  ※登壇者は予告なしに変更をする場合がございます。