第14回死刑映画週間
2/8(土)~14(金)
生きてこそ、生きていればこそ
©UNIDIS JOLLY FILM
袴田巖さんは無実で死刑判決を受け、長く死の恐怖の中にいた
「無実の罪」で国家に殺されるなど絶対にあってはならない
しかし、これまで無実で処刑された人々がどれほどいただろう
『死刑台のメロディ』のサッコとヴァンゼッティ
『正義の行方』の久間三千年、『流麻溝十五号』の「思想犯」たち
古今東西、死刑のある国では、そんな人々がいるのだ
『衝動殺人 息子よ』殺人事件で遺された家族
『処刑前夜』死刑執行で遺された家族
生きていれば、この悲しみはなかったはず
生きていれば、喜びはともにあったのに
「生」と「死」その狭間を穿つ7作品を上映する。
A『死刑台のメロディ』(1971年/イタリア・フランス/133分)
B『処刑前夜』(1961年/日本/102分)
C『流麻溝十五号』(2022年/台湾/112分)
D『正義の行方』(2024年/日本/158分)
E『異邦人』(1967年/イタリア・フランス・アルジェリア/104分)
F『月』(2023年/日本/144分)
G『衝動殺人 息子よ』(1979年/日本/130分)
A『死刑台のメロディ』
脚本・監督=ジュリアーノ・モンタルド
音楽=エンニオ・モリコーネ 出演=ジャン・マリア・ボロンテ リッカルド・クッチョッラ
【物語】1920年代のアメリカで実際に起こった冤罪事件「サッコ=バンゼッティ事件」の裁判を描いた作品。イタリアからの移民が密告により、身に覚えのない強盗犯の疑いで不当に逮捕され裁判にかけられた。そして死刑判決が…。
B『処刑前夜』
監督=滝沢英輔
編著=北山河・ 北さとり(カッパブックス) 出演=川地民夫 浅丘ルリ子
【物語】「被告高村勇を死刑に処する」という裁判官の宣告に、母と妹は泣き崩れた。勇は死刑執行に恐怖を覚え、平静な心を得るため俳句を始める。死刑囚の俳句を北山河・ 北さとりが編著した「処刑前夜」を映画化した。
C『流麻溝十五号』
監督・脚本=周美玲
出演=余佩真 連兪涵 徐麗旻
【物語】1953年の台湾、自由を口にするものは政治犯として捕まる弾圧の時代。教育・矯正と称して思想改造のため緑島に収監された女性たち。囚人として「新生調導処」に監禁・重労働を課せられる日々を余儀なくされていた。
D『正義の行方』
監督=木寺一孝
制作統括=東野真 撮影=澤中淳
【物語】1992年に福岡県で2人の女児が殺害された。自白も確たる証拠もなく犯人とされた久間三千年は、2006年に最高裁で死刑確定、早くも2年後の2008年に死刑執行。この「飯塚事件」で立場を異にする当事者たちが語るドキュメンタリー。
E『異邦人』
監督=ルキノ・ヴィスコンティ
原作=アルベール・カミュ 出演=マルチェロ・マストロヤンニ アンナ・カリーナ
【物語】「きょう、ママンが死んだ。」この冒頭が有名なカミュの「異邦人」。これをイタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティが映画化した。第二次大戦前、アルジェに住む一市民のムルソーの母が養老院で死ぬところから物語は始まる。
F『月』
監督・脚本=石井裕也
原作=辺見庸(角川文庫刊)出演=宮沢りえ 磯村優斗 二階堂ふみ オダギリジョー
【物語】2017年に発表された辺見庸の小説「月」は、実際に起きた障がい者殺傷事件を題材にした作品。書けなくなった作家の堂島洋子は、深い森の奥にある重度障がい者施設で新しく働くことになり、重度のきいちゃんと出会う。
G『衝動殺人 息子よ』
監督・脚本=木下恵介
脚本=砂田量爾 撮影=岡崎宏三 出演=若山富三郎 高峰秀子 田中健
【物語】理由なくして息子を殺された父親の無念の想いは、やがて国を動かし、法律をも変えていく。1978年『中央公論』3月号に掲載された佐藤秀郎のノンフィクションを映画化。若山富三郎はこの年の映画主演男優賞を総なめにした。
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公式サイト
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公開日
2/8(土)~14(金)
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上映時間
2月8日(土)11:00『死刑台のメロディ』/ 13:35『処刑前夜』/ 16:30『流麻溝十五号』/ 18:45『正義の行方』
2月9日(日)11:00『異邦人』/ 13:10『月』/ 16:45『衝動殺人 息子よ』/ 19:15『処刑前夜』
2月10日(月)11:00『月』/ 13:50『異邦人』/ 16:00『死刑台のメロディ』/ 18:40『衝動殺人 息子よ』
2月11日(火)11:00『流麻溝十五号』/ 13:20『正義の行方』/ 17:00『処刑前夜』/ 19:05『月』
2月12日(水)11:00『正義の行方』/ 14:00『死刑台のメロディ』/ 16:35『異邦人』/ 18:45『流麻溝十五号』
2月13日(木)11:00『処刑前夜』/ 13:10『衝動殺人 息子よ』/ 15:50『正義の行方』/ 18:55『異邦人』
2月14日(金)11:00『衝動殺人 息子よ』/ 13:30『流麻溝十五号』/ 15:45『月』/ 18:35『死刑台のメロディ』 -
入場料金
一般1,500円/大学・専門学校生1,300円/会員・シニア1,100円/高校生800円(オンラインは900円)/中学生以下500円(オンラインは600円)
前売り券:5回券4,500円/3回券2,800円/1回券1,000円 [劇場窓口にて販売中(2月7日まで)] -
前売券情報
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イベント情報
2月8日(土)13:35『処刑前夜』上映後 トーク
ゲスト:重信房子さん(著述業)
2月9日(日)13:10『月』上映後 トーク
ゲスト:雨宮処凛さん(作家・活動家)
2月10日(月)18:40『衝動殺人 息子よ』上映後 トーク
ゲスト:竹田昌弘さん(共同通信編集委員)
2月11日(火)13:20『正義の行方』上映後 トーク
ゲスト:木寺一孝さん(映画監督)
2月12日(水)18:45『流麻溝十五号』上映後 トーク
ゲスト:銭建栄さん(台湾弁護士・元最高裁判事)、林欣怡さん(台湾死刑廃止連盟代表)
2月13日(木)18:55『異邦人』上映後 トーク
ゲスト:太田昌国さん(評論家)
2月14日(金)18:35『死刑台のメロディ』上映後 トーク
ゲスト:ピーター・バラカンさん(ブロードキャスター)