汚れたダイヤモンド
9月16日(土)公開
「ギリシャ悲劇」『ハムレット』から『汚れたダイヤモンド』へ―-。永遠の“父と息子”の物語は、この映画により次のステージへ。
フランスの新星 アルチュール・アラリ監督×ニールス・シュネデールによるノワール映画の真骨頂
© LFP‐Les Films Pelléas / Savage Film / Frakas Productions / France 2 cinéma / Jouror Productions
フランス、パリ。強盗に明け暮れるピエールは、15歳から音信不通だった父が死んだことを突然知らされる。アントワープのダイヤモンド商家生まれの父は、ダイヤの研磨作業中に不慮の事故で手先を失い、その後精神を病み、家族の前からも姿を消し、野垂れ死んだのだ。それを知らされたピエールは、生家から追放された父の過去とみじめな最期に、父の兄ジョゼフを長とする一族への復讐と、ダイヤの強盗を誓う。舞台はパリから、ベルギーのアントワープへ。しかし生まれて初めてダイヤモンドに触れたピエールは、自分の体内に流れる、父から受け継いだ血が騒ぎだすのを感じるのだった。そしてそれは、悲劇への序章でもあった――。
2016年のフランス映画界で、最も傑出した才能の出現として話題になったアルチュール・アラリ監督による、フィルム・ノワールが誕生。自らがシェークスピアの『ハムレット』を下敷きにしたと語っているように、本作には<父と息子>という永遠のテーマが通奏低音のように流れている。原石のダイヤモンドに眠る、煌めく輝きと、坩堝のような深く暗い欲望。それを知ってしまった者には、もはや安穏は許されないのだった――。
監督のアルチュール・アラリは、本作において、フランス映画批評家協会・新人監督賞、リュミエール学院が主宰するジャック・ドレー(推理映画)賞、ボーヌ国際探偵映画祭・審査員賞およびクロード・シャブロル賞を受賞している。
主演のニールス・シュネデールは、本作でフランス映画アカデミー・セザール新人男優賞を獲得。また強盗の参謀役ラシッドを演じ、本作出演後に亡くなったアブデル・アフェド・ベノトマン(映画の冒頭で献辞を捧げられている)は、実際“元服役囚”であり、現代を代表するフランスのノワール作家である。当初ラシッド役はアブデラティフ・ケシシュ監督に依頼されたが、ケシシュはベノトマンをアラリ監督に推薦したという。そしてロレーン・バコールを想起させるラファエル・ゴダンなど映画を彩る俳優陣も興味深い。
果たしてピエールの復讐は成就されるのだろうか? 映画は、まったく意想外な展開を示しながら、ラストで、ピエールに対してある深いモラルの決断を強いる。『汚れたダイヤモンド』は、ここで単なる犯罪映画の枠を超え、大いなる世界への導きを許すのであった――。
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予告編
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公式サイト
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公開日
10月27日(金)まで
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上映時間
9月16日(土) 10:00/14:35/18:50
9月17日(日)、18日(月)、19日(火)、22日(金) 10:00/14:35/19:10
9月20日(水)、21日(木) 10:00/14:35/19:15
9月23日(土)~10月6日(金) 10:00/14:20/18:50~20:55
10月7日(土)~10月12日(木) 13:00~15:05
10月13日(金) 11:00~13:05
※9月30日(土)のみ 10:00/14:15/18:50~20:55
※10月7日以降ユーロライブでの上映 -
入場料金
一般1800円/大学・専門学校生1400円/会員・シニア1200円/高校生800円/中学生以下500円
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イベント情報
■トークショー
9月30日(土) 14:15の回上映後トーク ゲスト:古賀太さん(日本大学芸術学部映画学科教授